印刷における「トンボ」とは、印刷物を正確に仕上げるための基準として使われるマークのことを指します。トンボは、版の位置合わせや断裁の際のガイドラインとして重要な役割を果たします。以下にトンボの意味と役割、そしてその種類について説明します。
トンボの意味と役割
- 位置合わせの基準: 印刷機で色を重ねる際に、各色が正確に位置するように調整するための基準点として使用されます。これにより、色ズレ(色の位置がずれること)を防ぎます。
- 断裁のガイドライン: 印刷物を仕上げサイズに断裁する際の基準として使われます。トンボが正しく配置されていることで、断裁が正確に行われ、仕上がりが揃ったものになります。
- 仕上がりの確認: トンボを用いることで、デザインやレイアウトが正しい位置に印刷されているかを確認できます。特に多色刷りや大型の印刷物で重要です。
トンボの種類
- 仕上がりトンボ: 仕上がりのサイズや断裁位置を示すためのトンボです。断裁されるべき部分の四隅に配置され、最終的な仕上がりサイズを明示します。
- センタートンボ: 印刷物の中心位置を示すためのトンボです。左右や上下の中心点を確認する際に使用され、特にポスターやパンフレットなどで使用されます。
- 塗り足しトンボ: 仕上がりサイズよりも少し大きく印刷する「塗り足し部分」の範囲を示すトンボです。断裁時に紙の微妙なずれが発生しても、印刷の欠けが生じないようにするために使用されます。
- 折りトンボ: 折り加工が必要な印刷物において、どの部分が折り目になるかを示すための目印となるトンボのことです。
これらのトンボは、印刷工程において非常に重要で、正確で美しい仕上がりを実現するために欠かせない要素です。