「更紙(ざらがみ)」は再生紙を主原料とした、ざらざらとした質感のある安価な用紙で、過去には日本の教育現場や出版業界で広く使われてきました。以下、特徴や現在の取り扱いメーカーについて詳しくご説明いたします。
更紙は、主に古紙(新聞や雑誌など)を再生して作られる非塗工紙で、表面がざらついており、インクの吸収が早いのが特徴です。白色度は低く、灰色がかった白色で、コストが非常に安価なため、大量印刷物に適しています。その反面、印刷適性が低かったり、紙粉が出やすく、汚れや機械が詰まりの原因になったりするデメリットがあります。そのような理由も関係して、需要が下がり一般的なコート紙や上質紙よりも品薄で割高になることもあります。
主な用途
- 新聞折込チラシ
- フリーペーパー
- 雑誌の中綴じ広告
- 包装紙や緩衝材
- 製品マニュアルや取扱説明書
現在の取り扱いメーカー
現在、更紙を取り扱っている主な製紙メーカーは以下の通りです。
日本製紙
- 製品名:国更(くにざら)
- 特徴:古紙パルプ配合率70%、白色度約53%、軽印刷機用に適したわら半紙です。教育施設などでの使用に適しています。
大王製紙
- 製品名:更紙 おうむS
- 特徴:古紙パルプ配合率70%、白色度約55%、A4サイズで1000枚×3包のセットなどがあり、学校や事務用として利用されています。
わら半紙
わら半紙とは、主に教育現場で使用されてきた日本独自の紙の一種です。かつては稲わらを主原料として作られていた紙ですが、現在では古紙を主原料とした再生紙として製造されています。更紙とほぼ同じ性質を持ちますが、学校や公的機関での使用が多いため、「わら半紙」という名前のイメージが強く残っています。更紙との違いは表面はざらざらしており、白色度は更紙よりもさらに低く、灰色がかった色合いです。