UD書体(Universal Design fontユニバーサルデザイン書体)は、誰でも読みやすく、使いやすいフォントとして設計された文字デザインの種類です。
視覚障がい者、色覚障がい者、高齢者、子ども、および外国人など、多様なユーザーが使いやすいように設計されています。
1. 特徴
- 可読性
文字の形がシンプルにわかりやすく、見間違いを防ぐように設計されています。例えば、数字の1とl(Lの小文字)などです。印刷コピーなどによって文字がかすれたり、つぶれたりするような場合でも文字の判別がつきやすいようなデザイン設計がされています。 - 視認性
長時間の読書でも目が疲れにくいように、工夫されています。例えば、漢字の画数が多い部分でも十分な余白が確保され、文字が隠れないようにすっきりとデザインされています。 - 均一なデザイン
文字ごとのバランスがよく、どのサイズでも違和感なく利用できるため、Webや印刷物、サインなど幅広い用途で使用されています。
2. 主な用途
- 公共交通機関の案内表示(駅や空港など)
- 教科書や学習教材
- 医療・福祉施設での表示や案内
- 企業のWebサイトやパンフレット
- 標識サイン(視覚障害者向けの点字付き案内板など)
3. 有名なUD書体の例
- UD新ゴ(モリサワ)
「新ゴ」をベースに、視認性を高めた改良版。パブリックサインでの採用例が多いです。 - ヒラギノUD角ゴ(SCREEN)
ヒラギノシリーズのユニバーサルデザイン対応フォント。 - UDデジタル教科書体(タイプバンク)
学習教材に向けて開発され、読みやすさと学びやすさを両立しています。
4. UD書体の社会的意義
UD書体は、日本社会で進むユニバーサルデザインの一つとして普及が進んでいます。特にパブリックサービスの向上やインクルーシブ教育の推進に貢献しており、多様な人々が文字情報にアクセスできる社会を目指す取り組みです。