EPUB（Electronic Publication）は、電子書籍のためのオープンなデータ形式です。これは、国際電子出版フォーラムInternational Digital Publishing Forum（IDPF）によって開発・維持されています。EPUBは、さまざまなデバイスやプラットフォームで電子書籍を表示できるように設計されており、広く普及しています。
以下にEPUBの主な特徴と利点を挙げます。
特徴
- リフロー型テキスト（Reflowable Text）:
- テキストがデバイスの画面サイズに応じて自動的に調整されるため、スマートフォン、タブレット、電子リーダーなど、さまざまな画面サイズで快適に読むことができます。
- 固定レイアウト（Fixed Layout）:
- 特定のレイアウトを保持する必要がある書籍（例えば、マンガやグラフィックノベル、雑誌）に対しては、固定レイアウトがサポートされています。この形式はページのデザインやレイアウトをそのまま保持します。
- マルチメディアサポート:
- 音声、ビデオ、インタラクティブな要素など、さまざまなマルチメディアコンテンツを埋め込むことができます。これにより、リッチな読書体験が可能になります。
- メタデータ:
- 書籍のタイトル、著者、出版社、ISBNなどのメタデータを含むことができます。これにより、書籍の検索や整理が容易になります。
- DRM（デジタル著作権管理）:
- 必要に応じて、著作権保護のためのDRMを適用することができます。これにより、無許可のコピーや配布を防ぐことができます。
利点
- 互換性:
- 多くの電子書籍リーダー（Kindle（Mobi形式を除く）、Kobo、Nookなど）、タブレット、スマートフォンでサポートされています。
- 柔軟性:
- 再流し込みテキストにより、さまざまな画面サイズや解像度に対応できます。これは、ユーザーにとって読みやすさの向上を意味します。
- オープンスタンダード:
- EPUBはオープンな標準であり、特定の企業やプラットフォームに依存しません。これにより、出版者や作者は広範な互換性と自由を享受できます。
実際の利用
EPUBは、多くのデジタル書籍ストア（Google Play Books、Apple Books、Koboなど）で利用されており、広範な普及を誇っています。